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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第15章 汚れた安堵
ぐちゃぐちゃだ。
顔も頭も、口の中もぐちゃぐちゃになって…生々しい。救いがない。
好きでもない人に…愛されてもない人に道具(オモチャ)として扱われている自分が惨めだ。卑猥な行為に没頭している自分自身が汚らしい。
それなのに勘違いして
この男にときめいたり、図にのって同情したりなんかしてる。
そんな気持ち……必要ない、のに。
《 それで戒めのつもりなのか──… 》
違う。
これが本当に戒めになるなら、彼女の心はもっと晴れやかになるべきだろう。
こんな遠回りな方法では揺れる彼女を救えない。
いくらその行為が獣じみていようとも──人は獣には、なりきれないから。
「もっと強く…握れ……!…ッ─ハァ、舌は、回すんだよ」
「ふァっ…‥ァ、…ン─フ……!!」
「…っ…フ、少しはマシに なったな」
不破が重ねていた手を離し、花菜の頭の上に置く。
ぐしゃぐしゃと黒髪を乱した彼は、彼女の前髪をとめていた髪飾りに指で触れた。
半分取れかかっているその髪飾りを──不破は無造作に弾いて、床へ落としてしまった。