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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第16章 崩壊への誘い
──…
花菜を家に帰した後、ひとりになった不破はシャワーを浴びて部屋に戻った。
部屋と言ってもオフィスビルの一室だから、無駄に広く無機質な直方体のハコだ。
蒸し暑い空気のせいでソファーに座る気すら起きず、前の契約者が置いていった大きな事務用の机に飛び乗った。
下の階に置いている物と同じ机。
寝るには固いが、寝転ぶだけなら問題ない。
乾ききらない身体に制服のスボンだけを腰で履いた不破は、濡れた髪を掻き上げて上を見た。
低い階高を誤魔化すためか、天井を貼っていないそこはダクトが剥き出し。
人間が安らぐための場所でない事を強調している。