この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第19章 シロツメ草の記憶
「待ちなさい!」
教師が彼女の後を追う──
その肩を、不破が背後から捕まえた。
「…ッ…何のつもりだ、離しなさい!」
「病院へ行くなら俺を車に乗せろ」
「は?」
「あの女を連れていくなら俺も同行する」
「な!何を言ってる、無関係なお前を連れていけるわけが…─ッ」
「……救急車」
「…!?」
「…呼びたいか?ここに」
「……ヒッ」
威圧的な低い声。
まだ若いその教師は腰を低く構え身を固くする。
不破は再度、教師に命令した。
「…俺を連れて行け」
なんだ……この違和感は
いったい何が起こっている
“ 最後まで見届けてやる ”
見届けてやる
あの兄妹
何にあれほど強く縛られているのか──その、狂った執着の正体を。
──…