この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第20章 溺れた兄妹

「心配……かけたよね」

「…心配ッ…した!ほんとに心配した…!!」

「……すまない」

「お願いだから!わたしをひとりにしないで…!! どこかに行ったらイヤだ、イヤだ、イヤだよ!? お兄ちゃん…!!」

起き上がることができない伊月に、花菜のほうから触れにいく。

彼の胸の上に突っ伏した花菜は大声で空気を震わせながら、力いっぱいすがり付いた。

病室の外にもまる聞こえだろう。

せっかく伊月が無事に目覚めたというのに、いっこうに興奮が収まらないようだ。

喉が張り裂けそうなほど彼女が叫び続けるのは……きっと耳を塞ぐ代わりなんだと思う。伊月はぼんやりと感じていた。


「どこにも行かないで…!? わたしとっ…ずっと一緒にいて」


《 兄妹はいつか、離ればなれになるんだ 》


昨日告げたばかりのこの言葉……花菜はすでに忘れているようだ。


「……わかって、いるさ」


でもだからと言って今、彼女に向けて同じ刃を突き立てられるか?


/421ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ