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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第21章 眠り姫の呪い
──…
それから、ひと月が経った。
夏休みを直後に控えた武宮高校には、期末テストも終えてすでに脳内お休みモードの生徒ばかりだ。
「さっきさ、シュッとした感じの若い男の人が先生と歩いてたんだよね〜」
「あーそれ、わたしも見たよ」
「ももちゃんも見た?」
教師にバレないよう薄化粧だった彼女たちも、今ははっきりそれとわかる濃さのチークやリップをほどこし、目の周りを黒くふちどっている。
いつもの仲良しグループで廊下に集まる彼女たちは、先ほど職員室の前ですれ違った若い男の話題で盛り上がっていた。