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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第23章 後書き

容姿がとびきり可愛いわけでなく、世渡りベタで卑屈な内面を持つ花菜。

そんな彼女は周囲に愛されるヒロインじゃない。それでも、伊月は彼女にどっぷりはまったまま脱け出せない。

伊月の想いはひたむきでした。

比べて花菜はフラフラしています。

結局のところ…花菜は伊月のことをどう思っていたのでしょうか。大切な家族としか思っていなかったのか。

きっと違いますよね。異性として憧れていた筈なんです。

なら相思相愛でハッピーエンドになる筈なのに、そうもいかないのが禁断テーマのいいところ。

女として愛されたいという願望はあるのに、本人さえ無自覚なところでその願望は否定されてしまう。

認めたら壊れてしまうから。

だから花菜は目を閉じる。

だから伊月も彼女の前で理想の兄を演じ続ける。

そんな馬鹿げた境遇に身を置く伊月の弱く不安定な心──それをぶつけたのが18章です。

18章 ~ 僕を 見て ~

このシーンを書きたいがための今回の物語でした。

「僕を見ろ」

もう花菜の中でしか自分の存在意義を見付けられない伊月。彼は完全に…花菜に依存しているのです。

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