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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第5章 狼の本性

──
そして放課後を迎え──
花菜は今、不破と一緒に下校していた。
“ 上手く断れなかった…っ ”
授業後の彼女の教室に、わざわざ不破が迎えに来たのだからどうしようもない。
その時の周囲の反応はそれはもう凄まじかったが (とくに女子) 何よりも一番、花菜自身が困惑していた。
本当に現れるだなんて思っていなかったし。
「……」
「…っ」
スタ スタ スタ
本を読みながらもくもくと歩く不破。
彼と一緒に校門を通りすぎて、行き先すらわからないがとにかく付いていく。
一緒に…と言っても
無言の彼の背中を追って、少し離れた所から様子を伺いながらだ。

