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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第5章 狼の本性

空きビルの一室には四人の男がいて、うちの二人は見覚えがあった。

あの日不破とともに屋上にいた男子生徒だ。

「そいつ、どうした?」

彼らも花菜を思い出したようで、不破の後ろに隠れた彼女をいぶかしげに見ながら聞いてくる。

「この女は俺に興味があるらしい…。学校で引き留められた」

不破が答えとも、そうとも言えない返事をした。

「は? なにお前コクられたの?」

「それでここに連れてくるお前、相変わらずイミフだわ」

その返事を聞いた男たちはケラケラと笑いだす。


怖くなった花菜はここから逃げたいと思ったが掴まれた手を振りほどけない──。

不破が前に踏み出して、強制的に部屋の中に連れ込まれる。

そしてドアを閉められた時、花菜の中に後悔が渦巻いた。

いったい…いつからの自分を後悔すればいいのか

何を反省すべきなのか

彼女には検討もつかなかったが。








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