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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第2章 憧れの……


品がない……品がない

ああ、イヤだな


「あの」

パッと割って入った花菜のひと声。

たった二文字なのに、その声色には彼女の苛立ちが滲み出ていた。

「ここで化粧されると…手を洗う人が困ってるよ」

「は?……あ、ごめーん」

そこでやっと女生徒たちは花菜の存在に気付いた。

楽しい会話を台無しにする彼女の言葉に戸惑い…だが、軽く謝ったすぐ後にスイーツ話が再開される。

“ 邪魔になってるよ、って言ったらさすがに怒るのかな ”

ほんの少し空けられたスペースで手を洗った花菜は去りぎわの捨て台詞を言うかどうか迷ったあげく、なんとか喉の奥で堪えた。

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