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溺愛 ~ どうか 夢のままで ~
第7章 赤いシルシ

弱々しく小さな声が、思い出したように唇から零れる。

目尻に溜まった涙すらも…もう…枯れる一歩手前だ。

「‥モウ‥‥ヤメ、テ‥‥」

「じゃ、ここらへんでストップな」

ようやく電マのスイッチがオフにされた。

それは花菜の懇願が聞き入れられたわけでなく

そもそも、彼女の声に耳を貸す者がひとりでもいたならば、電マ責めはとっくに終わっていた筈なのだ。


ハァ……ハァ……

無情な電子音が止んだ部屋には、花菜の吐息と、興奮した男の鼻息が残る。


「んじゃーそろそろ挿れるか」

「いいけど、誰から?」

「俺から」

「なんでだよっ。そこはジャンケンだろぉが」

「バカ、争うな」

周りはいっせいにベルトを緩めだした。

しかし、彼らの会話などろくに聞き取れない花菜は無反応だ。

そんな彼女の頬を、ひとりの男がペチペチと叩く。

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