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第2章 新しい店と新しいマスター

「再会、っていう言葉にはなにか意味があるんですか？」

今度は伊知子が尋ねる。
すると潤平は曖昧な表情を浮かべながら、特にないよとあっさりと答えた。

「そう・・でもなんか、素敵な名前よ。
　なんだかこの店にきたら思わぬ再会ができたりして」

伊知子の言葉にハッと気づいた瞳が、

「そうだよ、私達も行きつけの店に再会できたじゃない！
　この場所のこのビルにある、素敵なバーに戻ってこれたじゃない？
　これも立派な再会よ、どう？マスター？」

そうかもしれないね、と静かに笑う。
いいオトコの、欲のない顔はさらに女心をくすぐる。
カウンターの下で瞳と伊知子は腕を突きあって
大収穫の喜びに胸を躍らせた。