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それを、口にすれば
第11章 求め合う心
絶頂を感じながら、どんどん腰を突き上げるようにしてしまう……。
その姿はとても淫らだった。

「これももう意味を成していないな……それに、彼らに聞かせてやるのもいいだろう」

そう言って、猿轡に手を掛ける。

彼ら……
ああ、良介と理沙子はどうしているのだろう。
やはり同じようなことを?

ああ、でも声を聞かれてしまうなんて……。

しかし、結城が猿轡を緩めるのと同時に、優雨は大きな声を上げてしまっていた。

「ああっ……ください……結城さんを、結城さんでいっぱいにしてくださいっ……早く、ああ……」

他の棟に声が届くような造りではないことは聞いていたが……良介と理沙子の部屋にはやはり声が届くということなのかもしれない。

そう思っても抑えきれなかった。
いやむしろ、聞かせたい、聞いて欲しいぐらいに気持ちが昂るのが抑えきれなかった。

夫はこんな自分の姿を知らない……。
自分の前で、他の女性を抱こうとする。
そして自分をいつも蔑んで……。

「……これか?」

立ち上がった結城の腰の手拭いが取り除かれると、結城の逞しいものが自然の光の中で天を向き、膨張している。

「はいっ……結城さんの……くださいっ……」

「……」

結城は無言でこちらを見つめている。

良介に聞かれても構わなかった。
……聞いて欲しかった。
はしたない……そして、他の男性を淫らに求める自分の姿を。
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