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それを、口にすれば
第18章 エピローグ
「……結城さん、どうして?」
堪え切れない涙が優雨の頬を濡らす。
「もう何も心配要らないよ……三人で、生きていこう」
全てを知って、迎えに来てくれたのだ……。
ずっと抑えて来た気持ちが溢れ出す。
どうして今まで会わずにいられたのだろう……。
今すぐにその胸に飛び込みたくて、鍵を開けようとするが手が震えてしまってなかなか上手くいかない。
しかしなんとか鍵を開けると、ドアが大きく開かれ……
そこには、ひと時も忘れたことのない愛する人の笑顔があった。
「今年も焼いたんだね……いい香りだ」
「はい……」
きつく抱き合う代わりに、結城は眩しそうに眼を細め、優雨の腹部に愛し気に手を当てた。
「……誕生日おめでとう、優雨。これからは毎年、君のとなりで言わせてほしい」
「はいっ……」
そのまま二人は口づけを交わし、会えなかった時間を埋めていく。
シナモンケーキの甘い香りの中で……。
fin.
堪え切れない涙が優雨の頬を濡らす。
「もう何も心配要らないよ……三人で、生きていこう」
全てを知って、迎えに来てくれたのだ……。
ずっと抑えて来た気持ちが溢れ出す。
どうして今まで会わずにいられたのだろう……。
今すぐにその胸に飛び込みたくて、鍵を開けようとするが手が震えてしまってなかなか上手くいかない。
しかしなんとか鍵を開けると、ドアが大きく開かれ……
そこには、ひと時も忘れたことのない愛する人の笑顔があった。
「今年も焼いたんだね……いい香りだ」
「はい……」
きつく抱き合う代わりに、結城は眩しそうに眼を細め、優雨の腹部に愛し気に手を当てた。
「……誕生日おめでとう、優雨。これからは毎年、君のとなりで言わせてほしい」
「はいっ……」
そのまま二人は口づけを交わし、会えなかった時間を埋めていく。
シナモンケーキの甘い香りの中で……。
fin.