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初めての浮気
第6章 春・・
ベッドの中で互いの手足を絡みつかせたまま、穏やかな時間が流れて行きました。どちらも居眠りすることもなく優しい会話が交わされていたのです。


【ねぇ。R美 夕飯はどうする? 一応、ミッシェル・ブラスの予約は取ってあるんだけど・・】


『そういえば・・何だかお腹すいてきちゃった。せっかくだから・・』


【裸じゃ行けないから(笑)そろそろ準備しようかな。先にシャワーして来るよ】


『待って! 一緒がいい。』


彼女はベッドから起き上がり、私と一緒にバスルームへと向かいました。


『あっ!』


【ん ? どうしたの ?】


『Mさんのが出て来ちゃった。ほら・・こんなに・・もったいないなぁ』


自身の内ももを伝う白濁を指差して、口惜しそうに苦笑いしている顔が可愛くて、とても印象的でした。


シャワーを終えて、彼女が袖を通したワンピースは漆黒で前面に施された黄金の市松模様が優雅さを演出しています。髪を整え、化粧を直した彼女の耳に、私の買え与えたゴールドのピアスが、左の手首には同じくゴールドのブレスレット、胸元にもダイヤのネックレスが施され、最後にルブタンのピンヒールが履かれると、彼女はスッと立ち上がり、こちらへクルリと振り向いて・・


【どう ? いけてる ? 】


『うん。うん。いけ過ぎ〜。超美人!』


【でしょ〜 (笑)】


フレンチレストラン、ミッシェル・ブラスは有名店ではあるものの、その雰囲気は決して堅苦しいものではありません。ギャルソンたちも有名店にありがちな黒のスペンサーではなく、サテンの青いシャツを着て、一様にフレンドリーな印象なのです。席に案内されると、まずは北海道全土を型抜きしたバター
と2種類のパン、そして卵の殻に入ったスープがサービスされました。選んだワインは白で、いつものシャブリ・グランクリュー。

ほぼ満席に近い状態のレストランの中にあっても、彼女は圧倒的な存在感と美しさを放っていました。他の男性客にとって私が羨望の的であることは間違いなかったでしょう。

洞爺湖では毎晩、花火が打ち上げられます。

それを眺めながら頂く料理は・・
ホッキ貝とボタン海老を使った一皿、数種のチーズをセレクトし、お待ちかねのガルグイユ、メインは彼女が好きな鴨のコンフィ、デセールはバジル風味のシャーベットというコースでした。


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