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連攣鎖(つれづれぐさ)
第33章 カラオケボックス
「お前に聴かれていると思うと恥ずかしいな。」

「っあ、選曲に忙しいから聴いてないから大丈夫です。」

「聴いてないのかよ。」

「いえいえ、忙しくても聴いてますよ。耳あいてるし、暇してますから…」

「あっはっは…」

豪快なトップの笑い声…
接待なんて性にあってないんだけど、楽しんでるんならいっか…

そしてさらに握り返された手は離れることがなかった。

二人とも喫煙者なので、トップが煙草をくわえると、私が火をつける。

「(会社の)人に火をつけてもらうなんて久しぶりだな。」

昔は上司が煙草をくわえたら、部下が火をつける…なんて3秒ルールがあって、煙草吸わない奴でもライター胸ポケットに入れていた時代があったけど、
勤務評価が上から視点じゃなくなったからか
嫌煙モードが社会化したからか、その悪習は廃れていた。

なんだか昔、昔と、知らず知らずにトップの振り返りタイムとなる。

トップが歌い出す。

「全然歌えるし上手いじゃないですか。」

「誰が下手だと言った?」

「いや、本当は歌うの嫌だからボックス行ったことがないんじゃないかと…」

「そんなことはないさ。」

照れて歌い出したトップはご満悦だ。
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