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支配~control~
第8章 崩壊
「…大丈夫?」

陸さんに連れられて、公園のベンチに並んで座った。
少し前まで半袖でも暑かったのに、いつのまにか夜は肌寒くなっている。

ここまで歩けただけでも不思議なくらい、足が重い。

「…」

「茜ちゃん…」


「あ…大丈夫です」

私は心配そうに覗き込んでくれている陸さんに笑顔で返す。

「私…嫌われちゃったみたいで…でも、綺麗な人でしたよね…あんな人がいるんじゃ、私なんて…、そもそも付き合ってるとかそんなんじゃなかったんだと思います…だから良いんです、私…、心配しないでください…ちょっと、びっくりしちゃっただけなんで…、ありがとうございます…、もう、大丈夫ですから…」
次々と言葉が出てきて、口が早く動く。

そんな私の言葉を、ただ黙って聞いてくれる彼。
「…」

「…だから、…あの、それじゃあ」

私は、ベンチから立ち上がった。

これ以上ここにいたらダメ。
こんな涙を人には見せたくない…。

変なプライドみたいなものが顔を出して、私は顔を彼に向けることなく、歩き出した。
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