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支配~control~
第3章 好きの気持ち
「わかんねぇってお前…」
俺が何を言いたいのかわかってか陸が遮る。

「俺がいつも乗ってる電車で痴漢に合ってるとこ助けたんだけどさ…めちゃくちゃ可愛くて…名前も知らないけど…」
顔から陸の本気が伝わってくる。
「それから彼女の姿を探すようになって…こんな気持ち、久しぶりだよ」
ぐいっと残りのビールを流し込んだ。

「良いんじゃね、話し掛けてみたら」

「いや、でも迷惑じゃ…」
乗り出して聞いてくる。
「お前が迷惑って柄かよ」
昨日のことを思い出して笑いが込み上げてきた。
「そうかな…」
そう言って少し考えてから、髪の毛をくしゃくしゃとかいた。
「はぁ…良い年して俺…だめだ」

「人を好きになんのに、年とか関係ないだろ」
まるで自分に言い聞かせるように、口に出す。
そして、「まだ30前だぞ」と付け加えた。
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