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第4章 ヤキモチ

「先輩、例の人とはどうなんですかぁ？」

「知らない」
紗奈が語尾にﾊｰﾄﾏｰｸを付けて言ってくるもんだから、更にｲﾗっとして冷たく言い放つ。

「あれ？喧嘩ですか？」
この空気の読めない感じ…。

「そもそも付き合ってないし」
そう言ってﾄｲﾚに向かった。

ﾄｲﾚの中で、はぁっと溜め息をつく。
一人になって、少し落ち着きたかった。

昨日のことが映像になって、頭の中をｽﾗｲﾄﾞする。

ｷｽ。

ｷｽ。

ｷｽ。

あー…。

もうやだ。
なんで私がこんな気持ちにならなきゃいけないの。

もう一度私は大きくはぁっと吐いた。