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雨のち晴れ
第1章 曇り空
笑顔を作ることには慣れた。

でも、時々思うんだ。

私は、ちゃんと笑えてる?

笑顔の仮面がくっついたような感覚になる。

今、私はどんな顔で笑ってる?

...。

ベッドから起き上がり、服を整える。

「…帰るね」

「おぅ。送ってく」

「んーん。今日は良い」

「…そっか。じゃあ気ぃ付けて帰れよ」

「うん、ありがと。じゃあね」
私は、すぐ部屋を出た。

早く浩輔から離れたかった。

さっき拭ったはずの涙が、また今にも溢れ出しそうになっている。

この涙に気付かれないように…早く、早く離れたかったんだ。



浩輔の家から私の家までは二駅離れてる。

駅まで歩く道。

これまでのこと。
これからのこと。

グルグルと想いが巡り、胸が苦しい。

涙で周りの景色がぼやけて見えた。


…苦しい。


苦しいよ…。


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