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第1章 曇り空

二カ月前、彼と初めて出会った時もこんなんだった。


─･･･。

「何泣いてんの？良かったら話し聞くよ」

彼からしたらただのナンパ。

でもその時の私には、その言葉がお日様みたいに暖かく感じたんだ。


私は泣きながら話し始めた。


彼氏から暴力を受けている。
どうしたら良いかわからない。
助けて欲しい。


全然知らない人だからこそ、素直に思ってることを伝えることが出来た。


普通だったら、こんな面倒臭い女、途中でアホらしくなって去って行くのに、彼は最後までずっと聞いていてくれた。