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買われる私
第1章 スカウト

次の日、メイクをしバスに乗って待ち合わせ場所に向かう。

17時40分、昨日の男性はもう来ていた。

「こんばんわ」

「あぁ、昨日の。名前何て言うの?」

「美紗です」

「美紗ちゃんね、じゃあ店行こうか」



大通を歩きしばらくして、路地裏に入った。
そこは風俗店がひしめき合う通り。

今まで無縁だった通りを今美紗は歩いている。



「ここだよ。今店長呼んでくるね。中に入ってて」

通された所はバーの様な空間だった。
5席程のカウンターと長いソファー。ソファーの前には4つ丸いテーブルが置かれている。カウンターの中にはカクテルや焼酎のボトルが並んでいた。

しばらくすると、店長らしき人がやってきた。

「こんばんは、店長の安部です。」

「はじめまして」

美紗はお辞儀をしながら答える。


「うちの岡田に声掛けられた?」

ースカウトしてきた人、岡田って言うんだっけ

「はい、昨日」

「そうですか。うちの店は比較的新しいし、会員様が多いので稼げると思いますよ」

「へぇ」

ー稼げるの基準がわかんないしな…

それから、給料の話や衛生面の話を聞いた。


「どうしますか?」

安部が聞いてくる。

「週2くらいでなら出勤できます。アルバイトもあるので…」

最初は冷やかしのつもりだったが、だんだん働いてもいいかなぁと思うようになっていた。


「分かりました。自由出勤なので、そのへんは融通利きます」

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