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伝わらない想い
第4章 幸せを願う
彼女の幸せを願う。

彼女の幸せは純といることなんだと、あの切なそうな笑顔を見て思った。

だから、俺は自分のこの気持ちに蓋をすることに決めた。

そう決めたのに心はモヤモヤとしてなかなか晴れてくれない。

「はぁ...」

「また溜息ついてる」
蘭が呆れたようにこちらを見ていた。

「悪い...」

「や、私は別に良いけどさ」

自分でも女々しいと思う。
この久しぶりの気持ちに振り回されている自分が情けない。

「最近俺ダメだな」
いろいろ考えるだけで頭が痛くなる。
そして、毎日のようにアルコールを身体に与えてその一時だけでも忘れようとしてしまう。
それでも朝目覚めるとその気持ちはまたむくむくと目を覚ましてくるんだ。

「陸はいつもそうだよね」

「ん?」

蘭が言う。
「陸はいつも自分のことより人のこと考えて、いっぱいいっぱいになって、そしてここでお酒飲んでる」
蘭には全てお見通しな気がして気恥ずかしくなってきた。
「ま、身体壊さないように気を付けなよ」

「...ああ、ありがとう」
蘭がすっと差し出してくれた冷たい水を身体に流し込んだ。
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