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友達でいるしかない
第5章 変わらない想い
「篠宮君ってさ。竹中さんとつきあってないって本当?」

隣のクラスと合同の体育の授業の最中に俺の横を走っていた女が俺に話しかけてきた。
名前は…確か佐々木。
ものすごく活発で元気なイメージがある
だけど、そのくらいの情報しかない。

「…佐々木…さんだっけ??」

とりあえず名前を確かめる。

「わぁ~知っていてくれたんだ。うれしい!佐々木静子です。下の名前も覚えてね」

3㌔以上走っているのに息一つ上げない。
平気な顔して自己紹介してくる。

「佐々木さん…平気そうだね」

女性陣でトップの彼女。

「シズって呼んでくださいね。…私、中学時代は陸上部だったからこのくらいは平気・・・かな」

「そうなんだ…じゃ、高校でも??」

必死に会話する俺に彼女はさらっと答える。
少し…悔しい

「入ってないですよ。…中学の時に怪我しちゃって。体育の授業で走るぐらいは問題ないんだけどね。本格的にはもう無理…」

先ほどまでの明るさが一変して、聞いちゃダメだったかなと少し後悔する。

「ごめん…」

「あははっ…ごめんごめん。しめっぽいね。さすがにその当時は相当凹んだけどね。その時って遊ぶ暇もなく部活一色だったから、高校に入ったら遊ぼうと決めたの。だから今は大丈夫。大事な友達もいるし。好きな人もできたし」

屈託ない笑顔。
文香とは違うその笑顔に吸い込まれる自分がいた。

「篠宮くん…私とつきあいませんか?」

いきなりの告白に驚く。
目を丸くして驚いてる俺ににこりと笑った。

「考えていてくださいね。…また声かけさせてもらいますから…ではっ」

それだけ言って彼女はペースを上げて走っていく。
前を走る数名の男共に声をかけてあっというまに視野から消えた。
告白には驚かされたけど『こいつ、おもしれ~』と思った。
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