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友達でいるしかない
第2章 淡い恋心
俺が小学3年の時に父親が亡くなった。
病院のベッドの上で目が覚めた時に父親が死んだと聞かされた。
最後に父親が叫んだ言葉は何だったのか…今でも思いだせない。
ただ咄嗟に俺をかばって力強く抱きしめてくれたことだけは覚えている。
その温もりも。
ずっとこの手に残っている。
だけど、その先の記憶がない。
目が覚めたらベッドの上だった…

あとで聞かされた話では、追突事故に巻き込まれたといことだった。
大型トラックが他の車と衝突して後続車が次々とぶつかる多重事故。
折れた鉄骨がフロントガラスを貫通し、俺に覆いかぶさっていた親父の胸に突き刺さり、救助隊が到着した時にはほとんど手が付けられない状態だったらしい。
父親がクッション替わりになったおかげで、その鉄骨の勢いが弱まり俺の体に食い込むことがなかったのだと…説明された。
説明を受けてもその瞬間の記憶は蘇らない…

俺をかばいさえしなければ死ななかった父親…
俺が父親を殺した・・・
それがどれだけのショックを受けるのか大人たちは分かっていたのだろか…



入院から3週間。
怪我の方は回復向かっていた。
問題は精神的問題。
記憶がなくても恐怖だけは覚えているらしく夜になったら悪夢にうなされてる。
何度も何度も同じ夢を見て起きる。
事故の夢だろうと先生は言うが、何の夢をみてるか覚えていない。
夜寝るのが怖くなり起きていても暗闇が怖いとナースコールを押す。
そんな時は睡眠薬で眠りにつく。
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