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友達でいるしかない
第2章 淡い恋心
入院して1週間がすぎ精神的面以外は落ち着く。
相変わらず眠れない夜は続くが強制的に眠りにつくので問題はなかった。


クラスの代表としてさほど仲が良いわけでもない7人が顔をだした。

「篠宮くん。怪我の方大丈夫ですか??これはみんなからのお見舞いです」

学級委員のいかにも真面目そうな赤城慎一郎が千羽鶴と色紙を差し出す。
そんなものもらってもうれしくないが…作り笑いを浮かべ受け取る。

彼らは、知っているはずなのに父親が俺をかばったことには触れない。
父親が死んだことさえ触れない。
当たり前だと思う。
それが普通の対応

だけど彼女は違った。
竹中文香だけは違っていた。

「お父様が篠宮君のことかばってくれたって聞いたよ。かばってくれなかったら篠宮君がいなくなってたって…私、篠宮君のお父様にお礼がいいたい。篠宮君を助けてくれてありがとうって」

そう言って流した涙を見て驚いた。
そして救われた気がした。

生きていてよかったのだと。
父親の命を犠牲にしてまで生きていていいのだと。

俺の精神的ダメージは事故当時だけではなかった。
父親が俺をかばって死んでしまったことへの罪悪感。
そして周りの大人たちの陰口。

その全てが彼女の一言で払拭された思いがした。


――――その時の彼女の涙に恋をした…
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