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友達でいるしかない
第6章 文香の幸せ
無意識に文香の手を引いて無理やり唇を押し付ける。
目を見開いて驚く顔が近くで見える。
だけどもう止められるわけがない。
そんな顔で俺を煽ったお前が悪い。

「…やめ…て…」

塞いだ唇の隙間から声を出す。
その隙を見逃さず舌を差し込み荒々しく貪り舌を絡めとる。
俺を離そうと手に力を込めてくるがその力に負けるわけがない。
無理やりに侵すキスに夢中になる。
文香の気持ちなどお構いなしで俺自身を満足させる。

「やめて!!」

今まで以上の力で押し付けられ唇が離れる。
荒い息をしながら文香を見つめる。
今にも泣きだしそうな歪んだ顔。
あの男に見せていた顔とは程遠い俺を拒絶した顔…

「いいだろう・・・俺、へこんでるんだ。慰めてくれてもいいだろう?」

俺は何を言ってるのだろう…
どんな言い訳をしてるのだろうか…

文香の振りかざす手がスローモーションで見えた
ああ。叩かれるのだろうと他人事のように思える。
その手が俺の頬に当たるのを避けもせず叩かれる。

「則孝なんて大っ嫌い。・・・・二度と近づかないで」

目から涙をボロボロ流しながら、今まで聞いたことのない低い声だった。
完全に拒絶された声音に何も言えない。
目の前から走り去る文香の後ろ姿を見続けるだけだった。
階段を駆け下り、自分の家に向かって走る文香は一度たりとも俺の方も振り向くことはなかった。

「…おれ…何やってんだ…」

額に手を当て項垂れる。
自分がやってしまったことへの後悔と、文香を傷つけてしまった後悔が今になって襲ってくる。
『文香だけは傷つけない』と誓ったはずなのに、一番傷つけることをしてしまった。
無理やりキスをして傷つけることは最初から分かっていたはず。
だけど、どうしても抑えきれなかった。
今までひた隠しにしていた思いが溢れ出し制御できなかった…

「はははっ…完全に嫌われたな…」

自暴自棄になり笑うしかない。
俺はやってはいけないことを、好きな女にやってしまった。
一番傷つけたくなかった女を傷つけた。

こんな俺…見たくもないだろうと思う。
だったら俺からの最後の詫びに消えてやろうと思った。
文香の中から俺が消えるように…
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