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友達でいるしかない
第8章 届けたい気持ち

「…なぁ文香…今まで待ったんだから、文香がその気になるまで待ってもいいんだよ…だけど理由が分からないとどうしたらいいのか分からない…」

身体を横にずらし、文香の顔を俺の胸に引き込み黙って抱き込む。
背中を摩りながら文香が話し出すのを待った。
泣いていただろう息遣いも次第と落ち着いていた。

「あっ…あのね…嫌いにならで…」

「んっ??…大丈夫、嫌いにならないよ。」

腕に力を込めて大丈夫だということを伝える。


「だからちゃんと話して。言いにくいことだったら、このままで聞くから。…顔見れないほうが話しやすいだろう?」

小さいく頷く。

「私ね………なの」

あまりの小さいことで肝心な部分が聞こえない。

「ん?」

「…始めてなの…Hするの…」

思いもよらない告白に言葉を失う。
驚きすぎて腕の力が弱まり少し体が離れた。

「…ごめん…この年で初めてなんて引くよね…こんな…私…嫌だよね」

「…まじ…?」

身体を離し文香の目を覗き込むが目を合わせないように背け、ただ頷いた。
俺は文香を抱き起し一度力強く抱きしめ、真正面から見据えて涙を拭いてあげる。

「すげーー。うれしいっ」

「…嫌じゃなないの…?」

「嫌なわけないだろう!!お前の初めてが俺だなんて、俺最高に幸せ」

ぎゅっと力強く抱きしめる。
俺のありったけの愛情を込めて。
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