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サイドストーリー7
第1章 同棲ラプソディー
「俺の手から、離れるんだ。
出来れば・・・君たち一人一人にこれから気を付けなきゃいけないことを教えてやりたいよ。
何年後に、こんなことが起こるからこの準備をしろ、とか
こんなことが起こるから気を付けろ、とか。
全員の未来を見に行って、全員にアドバイスしてやりたい。
けど、それは無理なんだ。
俺はただの担任で、君たちは明日から俺の手を離れてそれぞれの道に進む。
君たちは一人でこれからの人生を切り開いていかなきゃいけない。
俺は2年かけてその力を君たちが持てるように尽くしてきたつもりだ」
佐藤さんは泣きそうだ・・・
「これから今の君たちが想像もつかないようなたくさんの困難が襲うだろう。
でも、この仲間を思い出してほしい。
そして絶対に乗り越えられる自分の力を信じてほしい。
君たちの未来をいつまでも俺は見守っているよ」
最後まで泣きそうで泣かない佐藤さんの声は
小さく小さく震えていた。
私はそっとその場を離れて校門を出た。
これは佐藤さんにとっても儀式だ。
第三者が立ち会ってはいけない。
はーっ。
私も泣きそう。
さて、ご馳走を作って佐藤さんのマンションで待っていよう。
大事な教え子を卒業させた、佐藤さんにとって初めての卒業式を
二人で祝うために。
―――母校に遊びに行ってみようかな。
ふとそんな考えに、よく晴れた青空を見ながら泣き笑いした。
END*****
出来れば・・・君たち一人一人にこれから気を付けなきゃいけないことを教えてやりたいよ。
何年後に、こんなことが起こるからこの準備をしろ、とか
こんなことが起こるから気を付けろ、とか。
全員の未来を見に行って、全員にアドバイスしてやりたい。
けど、それは無理なんだ。
俺はただの担任で、君たちは明日から俺の手を離れてそれぞれの道に進む。
君たちは一人でこれからの人生を切り開いていかなきゃいけない。
俺は2年かけてその力を君たちが持てるように尽くしてきたつもりだ」
佐藤さんは泣きそうだ・・・
「これから今の君たちが想像もつかないようなたくさんの困難が襲うだろう。
でも、この仲間を思い出してほしい。
そして絶対に乗り越えられる自分の力を信じてほしい。
君たちの未来をいつまでも俺は見守っているよ」
最後まで泣きそうで泣かない佐藤さんの声は
小さく小さく震えていた。
私はそっとその場を離れて校門を出た。
これは佐藤さんにとっても儀式だ。
第三者が立ち会ってはいけない。
はーっ。
私も泣きそう。
さて、ご馳走を作って佐藤さんのマンションで待っていよう。
大事な教え子を卒業させた、佐藤さんにとって初めての卒業式を
二人で祝うために。
―――母校に遊びに行ってみようかな。
ふとそんな考えに、よく晴れた青空を見ながら泣き笑いした。
END*****