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サイドストーリー7
第20章 セカンドラブ③
週に何回かご飯を食べて。
一緒にご飯を食べていない食事がすごく気になるのが初めだった。

朝起きたら、主任の朝ごはんが気になって
お昼はお昼で気になる。
一緒にご飯を食べる日はホッとする。

私の1日は主任のご飯の心配が大部分を占めて行った。

嫌いな相手のご飯事情なんかいくら上司でも心配するわけもなく。

さっきは主任が入院したらどうしようと怖くなった。

一緒に仕事をしている間は気にしないようにしていたけど
病院に行くタクシーの中で気が付いた。

私、主任のこと好きなんだ―――


「だからな、池田、聞いてるか?」
「ねぇ。主任。仕事以外ではしおりって呼んでください」

一瞬、主任が息をのんだ。
主任の顔つきが変わる。

「・・・しおりって呼んだら、もう池田を離せなくなるよ」

私をじっと見つめてその視線にすべてが込められていた。

「離さないで・・・」

その言葉を言い終わらないうちに、私は主任の腕の中にいた。

「しおり」

優しく優しく呼ぶその声は、上司じゃなくて愛しいオトコの声。

私の名前を愛しく、優しく、そして強く呼ぶ。

ぎゅっと抱かれたその腕の中で
この人に守られて、この人を守っていきたいと強く思った。

「帰ろうか」

その言葉が私たちの始まりになった。


END****

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