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サイドストーリー7
第21章 虹色の楽譜
たった今買ってきた雑誌を、座るのももどかしく、包装用の紙袋を開ける。
紙袋のセロテープのところが少し破けた。

そんなことも構わずに。開いてすぐの特集ページに釘づけになる。

「奏くん・・・だ」

そこには正装をしてグランドピアノの前に座る奏くんの写真が
A4の雑誌いっぱいに写っていた。

ひとしきり眺めた後、文章をざっと読む。
後でゆっくり読むけど。
今はとりあえず読む。

「クラシック界のみならずジャズ界にもファンは多く新世代のアーティスト。
日本ツアー時はコンサートホールでの全国ツアーの傍ら、横浜にあるレストランでサプライズライブをする事でも有名。
その繊細なタッチと大胆な技術に才能を感じずにはいられない。
音楽を愛する全ての人がその才能に魅了され、彼の演奏を聴きに足を運ぶ」

凄い。
先月のコンクールタイトルをとった時からあらゆる雑誌で絶賛だ。

「茜さん」
「なに?」
「そろそろ、行く用意をしない?」

今日は片桐さんが知り合いを集めて祝賀会を開いてくれる。

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