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サイドストーリー7
第26章 10年目の恋
職場を出たところで、春からうちの会社に転職してきた
3コ下の男の子に呼びとめられた。
私の・・・徹の3コ下とは思えないほど幼く可愛い顔をしている。
その顔とは真逆に翻訳の腕前は確かでギャップに社内の女の子は萌えていた。
「志保さん」
「何?」
徹が丁度向こうから来るのが見えた。
イヤだな。徹に余計な心配をかけたくないんだけど。
「その・・・指輪」
あ、ぁ。徹がくれた婚約指輪。
今日初めて職場にしてきた。
「俺、遅かったんですか?」
まっすぐな目をして、少し赤くなった頬を気にせず
私を見つめるその男は、男の子の顔の中に男を隠し持って
私に直球で聞いて来る。
徹は少し手前で、私とは無関係を装ってガードレールに腰かけた。
「俺が、昨日告白したから。だからつけてきたんですか?」
その場で断ったのに。諦めません。と口を一文字に結ぶキミに
言葉以上の最後通牒を示したつもり。
「もっと早くに告白していたら変わりましたか?
もっと早くに出会っていたら・・・」