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熱・愛・契約~熱・愛・事変
第5章 乱暴でもいいから、奪って



 しのはうっとりとした、と表現すれば良いのだろうか。半開きの瞳に頬は薔薇色、唇の端が絶妙な角度で上がった美しい笑顔を堺に向ける。

 堺の胸の真ん中に人差し指でつつ、と触れると、何とも言えない可愛らしい声で言った。



「悪い男って……どんな?」

「――だ……だから……つまり……」



 意を決してしのに切り出したのに質問で返され、堺は詰まった。

 

――あれ……しのちゃんって未成年……だよね?……つまり、少女じゃないか!……僕って三十を過ぎた大人――の筈なのに……少女にいいように弄ばれてる感があるのは気のせいなのかっ?……てか……僕って本当に三十代の大人の男なのかっ?そりゃ僕は良くコロコロ転ぶけど、自分の年齢を忘れる程には呆けてないぞ!……た……多分……いや……まさか!しのちゃんが年齢を詐称してるとか?……芸能界にはよくある話だっていうし……だ……だって……少女なのに男を掌で転がす魔性……そそそれに……こんなエッチな身体……っ!そうだ……きっとしのちゃんは年齢を誤魔化して――



 頭の中で忙しくそんな事を考えていた堺は、しのにビンタされた。

 


「いっ――!?」

「本当に……堺さんって焦れったい上に……失礼――!」

「ひ――っ!ゴメンねゴメンねゴメンねゴメンね――っ」




 しのの怒りの声にビビり、堺は瞼をギュウと瞑って祈るポーズをする。




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