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熱・愛・契約~熱・愛・事変
第5章 乱暴でもいいから、奪って
「……っしの……っ」
頬に触れた微かな甘く柔らかい唇は、堺の胸の奥に消えない焔を灯したのかも知れない。火はみるみる間に大きくなり彼の全身を包み込み、思考も焼き尽くされてしまうかのようだった。
しのは堺の瞳をただひた向きに見詰めている。その瞳の色は、ライヴ会場で大きな布に被さられ二人だけの世界で唇を重ねた瞬間に堺が見たものと同じだった。
――そうだ……あの瞬間から……彼女に惹かれていたんだ……
堺の中で、パズルのピースの最後のひと欠片を見つけた様に何かがストン、と着地した感覚があった。
しのが手を伸ばすと同時に、堺はその細い手を引き寄せて強く抱き締める。

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