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熱・愛・契約~熱・愛・事変
第7章 女帝との対面
しのがゆっくりと唇を離すと、堺はマンボウの如く真紅に染まった頬を膨らませ、ピクピク震えている。ムードの欠片もない、としのが少し落胆した時、堺の表情が劇的に変化した。息を深く長く吐き出し、唇を結び真顔になっただけなのだが、先程までしていた顔との落差だろうか、とてつもなく凛々しく見え、しのの胸は再び高鳴る。
「しのちゃんっ……そ、それはイエスていう意思表示と取ってもいいの……かな?」
しのが溢れるような笑顔で何度も頷くと、堺は破顔し、力一杯彼女を抱き締めた。
「堺さ……い……いたい」
「ご、ごめんっ!」
少し力を和らげると、腕の中でしのが堺を輝く瞳で見上げている。
多分、今、込み上げてくるいとおしさで頬がだらしなく緩んでいるに違いないーーこんな自分をあの人が見たら怒るだろうか。悲しんで涙を流すだろうか?と堺の頭の中にそんな思いが過ったが、しのが小さな欠伸を噛み殺し胸にもたれ掛かってきた瞬間、眠りの世界へと誘われ、彼女を抱いたままベッドへと沈んだ。
栗色の巻き毛がベッドサイドのアラームの明かりで煌めき、堺は夢現のなか、綺麗だ、と思った。
(ほんの少しの間だけだから……だから、この子を守らせてくれ……一年、そう、一年だけーーその後で、君に沢山怒られるからーーだからーー)
「だから……な……るみ」
「ーーえ?」
小さな彼のうわ言に、眠りかけていたしのは瞼を開くが、既に彼は深い眠りに沈んでいた。

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