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熱・愛・契約~熱・愛・事変
第2章 出逢い、夏フェス
「良かった、じゃーないわよ!堺ちゃん、口を怪我してるじゃないの――!」
ペコは両手を頬に添えてムンクの叫びの如く顔を歪めて絶叫した。
堺が驚き触れると、赤い血が刺すような痛みと共に指先を濡らした。
――ひょっとしたらあの子が、噛み付いて?
彼女の頬に光る物が涙だった事を堺はその時気付いた。
弾みとはいえ、彼女の唇に触れてしまったのだ。きっと、彼女は嫌だったに違いない。
悪い事をしてしまった……と思いながら、カメラを持ったら絶対に離さない自分が、何故放り出してしまったのか――不可解で仕方がなかった。
ステージの上で強気な瞳を一瞬揺らがせた彼女を、そのままにしておけない、と強く感じて、考える前に飛び出していたのだが――

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