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熱・愛・契約~熱・愛・事変
第3章 混・乱・事変
堺は頬だけでなく、首や胸元にも擦り傷が出来ていた。
皮膚が破れて少し血が出ている。しのは新しいガーゼで傷を綺麗にしてやり、また軟膏を塗ってやるが、堺はゆでダコみたいに赤くなって身悶えた。
「くすぐったいですか?」
彼の様子が可笑しくなって吹き出しそうになるが、しのは我慢する。
堺は唇を歪め、目を白黒させて拳を握り締めてプルプル震え、時折頬をひきつらせて奇妙な叫びを短く上げてまた口をギュッと結ぶ――という動作を繰り返していた。
しのは、そんな堺を見れば見るほど笑いを我慢するのが辛くなるが、彼から目を逸らす事が勿体無いような気がして、じっと見詰めながら手当てを続ける。
身悶えながらも拒否しないのは、嫌がってはいないのかしら――としのは安心する。
だが堺はその時、自分との闘いに必死だったのだ。

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