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熱・愛・契約~熱・愛・事変
第3章 混・乱・事変
「噛みつき?」
何の事か分からずに暫しキョトンとするが、しのが僅かに頬を紅く染め堺の唇に視線を送って漸く彼女の言いたい事を理解し、納得して顔の前で手を叩き、次の瞬間、しのに負けない程に顔を紅くして絶句した。
その件をこちらから謝らなければならない、と思っていたが――彼女の方から水を向けられ無性に恥ずかしくて何を言えば良いのか分からない。
「あ……あれは、弾みだし……貴方がわざとやったんじゃないのは……分かってます……でも、私つい――」
しのは両手の細く白い指同士を絡ませ俯いていたが、ふと堺を見詰め、瞳を潤ませてまた下を向いた。
(……い、いかんいかん……っ!僕よりうんと年下の女の子の方から頑張って言いにくい話をしてくれてるのに、男の!大人の僕がこんなんじゃ――!)
堺は何度か咳払いをし、吃りながら言った。
「ま……まっまああ……口はさ、切れても直ぐに治る場所だし……だ、だいじょ」
「見せて」
「――っ」
しのは、堺の頬を両手で挟んで顔を近付けた。
堺の全てがその瞬間フリーズする。

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