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第13章 薔薇の貴婦人

「あの部屋を封印しろ…」


醜い貴族達に犯され続けたアリスは、人格崩壊を起こした後、またオークションで売り飛ばされた。


力なく足場の悪い墓場から、主が立ち去る。


「…旦那様…」


氷の女王。冷たく感情のない女。
ちょっとした粗相も許さない完璧主義者。


皆一様に抱いていた主への印象が、この一場面で覆された。


「旦那様！」


よろめきながら立ち去る後を追い、


「お手を…」


エオスは手を差し出した。