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奴隷飼い
第13章 薔薇の貴婦人
悲しみにうちひしがれるエオスだが、その震える肩を仲間が叩いた。
「エオス!」
動揺した様な顔は、後ろを見ろと目配せをする。
一体何かと、涙を拭いながら振り返ると、
「旦那様…!?」
喪服に身を包み、抱えきれない程の黒薔薇を携えたシェリルが歩いていた。
「これを…ノトスに」
受け取る召し使い達も動揺する。
今まで一度も死んだ召し使いの墓に足を向けた事のない主が、喪服姿で目の前にいる。
「もっと早くに行けば…」
無機質だが、その力ない表情からは悲しみが見える。
何が一番の万策かを考え、時間を費やしてしまった。助けられる命を、あと少しのところでその灯火を消してしまった事に、シェリルは後悔と罪悪感で目を潤ませた。
「エオス!」
動揺した様な顔は、後ろを見ろと目配せをする。
一体何かと、涙を拭いながら振り返ると、
「旦那様…!?」
喪服に身を包み、抱えきれない程の黒薔薇を携えたシェリルが歩いていた。
「これを…ノトスに」
受け取る召し使い達も動揺する。
今まで一度も死んだ召し使いの墓に足を向けた事のない主が、喪服姿で目の前にいる。
「もっと早くに行けば…」
無機質だが、その力ない表情からは悲しみが見える。
何が一番の万策かを考え、時間を費やしてしまった。助けられる命を、あと少しのところでその灯火を消してしまった事に、シェリルは後悔と罪悪感で目を潤ませた。