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奴隷飼い
第5章 薔薇の蕾が開く時
「アリスは?」


「先程眠られました」


一番煩いアリスが寝付かなければ、下手な行動は出来ない。
何度もタイミングを見計らって、やっとの思いで抜け出して来た。


「……………」


「……………」


静まり返る室内に立ち尽くすエオスは、目の前に座る主人から何度も目を反らしては表情を盗み見ていた。


仄かに頬を赤く染め、動揺しているのか目を泳がせている。
その仕草が可愛くて堪らない。


氷の様に冷たい、感情のない女。
そう噂される逸話は沢山ある。
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