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奴隷飼い
第5章 薔薇の蕾が開く時
社交界で言い寄って来た伯爵の頬を、公衆の面前で平手打ちにしたり、粗相をした召し使いを幾人も拷問に架けたなど…。


巷での噂を何度も耳にしたが、今のシェリルからはそんな雰囲気は微塵もない。


「エオス…」


重苦しい空気を破る様にシェリルが口を開くと、


「肩が凝った…。マッサージを頼む」


「…はい、旦那様…」


椅子からベッドに移動する主人を追い、座る背後に膝を付く。


「痛くはありませんか?」


「あぁ…大丈夫だ」


日中見るドレスと違う、就寝用の薄い服からは、色白の細い首筋。
蝋燭の炎の下で見ると、また違う色気がある。
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