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彼の秘密
第9章 テスト対策
翌日の昼会長の教室に向った。
雫には会長に教室で食べるから断っておいてと言っておいた。
「あ、あの会長っていますか?」
ドア付近にいた女子の先輩に声をかける。
髪は茶色に染められて、顔は清楚系だけど化粧が濃いいかにもギャルって感じの先輩。
雫のほうが何倍も可愛い。
まぁそんなことは置いといて
「会長?待ってね・・・渡君。呼んでるよ」

「え?」
そう振り向いた会長はいつものさわやかな表情で、参考書を片手に椅子に座っていた。
その周りには女子がたむろしててよくそんな状況で勉強出来るなぁとある意味感心する

「どうしたの?澄君」

ここをあえて澄君というこいつの性格、改めて嫌な奴だと思う。
いつもは呼ばない癖に
「え、何々知り合い?いいなぁ。ねぇメアドとか知ってるの?」

「え、いや知りませんけど。」
てか知りたくもないけど
「あ、そうだ思い出した。澄君、前保健室に置き忘れてたものがあったから渡すよ。」

「え、忘れてた?」

「そう、まぁお昼食べよっか」
と先輩は青い布巾に包まれた弁当を持って俺の肩を押してその場を離れた。

そして屋上に出た。
空は雲で覆われて雨が降り出しそうだった。
「で、何話って。雫からのメールが来たけどどうせあんたが言ったんでしょ」

「そっすよ。会長に話があるんですけど。ここで改めて気持ちを確認したくて、彼奴のことを想ってますか?」

「何その陳腐な問い。答えるのも馬鹿げてるんだけど
当たり前じゃん」

「なんで彼奴なんですか?」

「そんなものに意味があるとは思えないけど・・・あえて言うなら
一目ぼれ?ていうか話してて可愛いなぁって思ったのが始まり」

「そうですか、なら話があります。俺と約束をしてください。」
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