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彼の秘密
第3章 それぞれの
・・・だれもいない」
早く家を出たつもりが、早すぎたみたいだった。
教室の時計は8:00を指していたが教室には誰も居ない。確かに朝のSHRは8:30から始まるから8:00に着いた自分は少し早いかなと思ったが、誰も教室に居ないとは思わなかった。

「マジかよ。早く澄来いよぉ」
と独り言を呟きながら肩を落とした。

すると、後ろからクスッと笑われる声がした。

見られてたぁ、恥ずかしいし、
雫は首を後ろにユックリ傾けたそこには
「なに、独り言話してるの?」
ドアにもたれ掛かる先輩が居た。

「渡先輩、あれ?今来たばかりですか?」

「いや、俺は7:50分に来たかなこれから生徒会室に忘れ物しててさここの階の突き当たりにあるんだ教室」
と、腕を組ながら右手で廊下の突き当たりを指差す。
「なるほど、あっ、俺は早く着きすぎたみたいで、見たとおり誰も居ないんですよ、
ボッチでつまんないです。」
先輩は空の教室を見渡してから
「ふーん、俺は一人の時間が少ないからね。
一人の時間て貴重だと思うな。」
その言葉で昨日の駅での風景が浮かぶ
「あー、囲まれてますからね。断ったりしないんですか?」

「一回言ったことあるけど、まったく聞いてないんだ。あのときは苛ついたなぁ」
と顔を下に向ける。

「へー、俺は女子に囲まれる大変さを知らないですからね。
ただ、女子は苦手ですかね。」
すると、先輩は目を意外そうな顔をした。
「へー、ねぇ雫君は彼女いないの?モテそうだけど」
その言葉にカチンとくる。
「できませんよ、てか先輩にモテそうって言われても嫌みにしか聞こえません。」

「そう?俺はかっこいいと思うけどな。雫君は」

「だから嫌みにしか聞こえないですって」

「ふーん、
あっ、そうそう今日の昼屋上に来てね」
じゃあね、・・・一年生」
先輩は廊下に目をやって手をヒラヒラさせながら生徒会室に向かっていった。
呼び方がいきなり変わったことに違和感があったから
「先輩?ちょっと」
俺は先輩を追いかけようと教室から出ようとしたらタイミング良く登校してきた澄とぶつかりそうになった。
「うわ、どうした雫、会長と何か話してたのか?
てか、初日からやらかしたの?」

廊下を見てももう先輩の姿は無かった。
「あっ、いや・・・なんでもない。なんだろう。わかんない」

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