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彼の秘密
第14章 決意
雅は掴んだ手を離す。
少しの息苦しさから解放されて俺は後ろに少しだけよろけた。
よれたシャツを無視して雅を見る。
彼の表情は虚しさが宿っていた。

「雫にとって友達って何?
調子がいいときだけ話す相手?
喧嘩するのは違うの?、澄も会長も、関口も、姫も、俺も、雫にとっては都合がいいときだけの場所?」

「ちがう」

「じゃぁ今の状況は起こらないんじゃないの?
俺や関口に話してくれれば少しでも違う状況になってたんじゃないの?」

もっともな言葉に俺は何も言えなかった。
俺は、ずっと誰にも相談しなかった。
突き放してばっかだ・・・
「そんな関係なら、俺は雫とはもう関係を断つよ」

「やだ」

「そんなこと続けてたらいつまでも雫は独りぼっちだね」

「やだ!!・・・もう・・ひとりは
行かないでほしい・・・でも、わからない、わからないんだよ・・・隠したい
でも知ってほしいって思ってて、自分でも自分がわかない、嫌いこんなのも、やだ」

胸が弾けて熱いものが次々に頬を伝ってシャツを濡らして、立っていられなくなった。
辛い、痛い、悲しい、ごめん、わからない次々と感情が入り乱れてコンクリートに染みていった。そんな自分の肩に温もりが覆いかぶさる。
「やっと言ってくれた。やっと聞けた。ありがとう」

彼はこんな自分に優しくそういった。
それが更に胸をあつくして俺は彼にしがみついて情けなくわんわんと泣いた

「ごめん・・・ごめんなさい」

彼は俺が落ち着くまで側にいた。
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