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彼の秘密
第14章 決意
昼休み後も話しかける時間がなかったので、話すのは放課後しかなかった

帰りのホームルームが終わって、澄が帰ってしまう前に腕を掴んだ
「待って」

「なに?」
冷たいって思った、澄の態度じゃない目が

すぐ逃げたくなったけど、震える足をぐっと押さえる
引きつった顔で言葉を紡ぐ
「時間をくれる?このあとすぐ皆が居なくなったら」
澄は俺の顔をじっと見た

断られるかもしれないけど
食い下がらなきゃ

「・・・伊藤、先に部活行ってて。俺雫と話があるから」

「はいよ、先輩に伝えとくな」

「おう、頼む」
あっさり澄は聞いてくれるみたいだった

「じゃあ、非常階段ね・・・10分後行くから待ってて」
と、掴んでた手をそっと振り払われた

終始澄の目は冷たく揺れてた

何を考えてるんだろう・・・今まで親友の考えてたことはわかってたと思ってたのに、全くわからない。今までも自分はわかってなかったのだろうか思い込みだったのか
そこに雅がやってきた
「雅」

「不安そうな顔しないの。辛かったら頭撫でよっか?」

「はは、大丈夫 それに充分甘えたから」

「そっか、なら行ってきな。今日もどうせ喋ってるだけだからさ
部室で・・・いや今日はもう用事が終わったら帰りなよ。
明日からまた部室に来ればいいから」

「ごめんさぼってて。うん明日から行く」

「よし、じゃ検討を祈っとく。姫、神室部活行くよ」

「あれ、いつもよりやる気?
てか喧嘩は?」

「あー・・・なんかそんな気分でも無くなっちゃった」

「ふーん、よかったねマッツン」

「・・・ん、マッツンて言うな」

皆が教室を出ていくのを待ってから、非常階段に向った
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