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彼の秘密
第18章 二人の時間
校舎を出てまっすぐ向かったのは、駅のホーム

ホームにある椅子に腰掛けながら、スマホを弄って暇を潰す。
それにしても疲れた、心身ともに疲れているがまだ今日は火曜日、まだ3日もある・・・いやたったの3日と考えた方が気持ち的に楽か。
明日の授業は確か体育があった気がするな、それにしてもまたテストだ。
最近は勉強を疎かにしていたし、期末は2週間後だ追い上げが効くか不安だ。

気分がまた重たくなるのを感じて、ため息をこぼしかかけた時頭の方から好きな声がした

「ごめん、待たせて」

「いえ、そんなにというか全然ですよ」
スマホの時間を確認して来てから数分しか経っていない事を確認して再び彼に視線を戻す
距離を取る前もこうして帰っていたが、付き合うという特別になってから違う感覚だ。
気恥ずかしいというかちらちらと視線を自分から外してしまう。

「緊張してる?」
ずばっといい当てられると余計に恥ずかしくなってしまってより顔を見れなくなってしまう。
ほんとう特別なことは何もしていないのに顔が火照ってしまう。
「電車来たから乗ろうか」

だが彼は至って普通に接して、自分がバカみたいだ
・・・彼は今までの経験が豊富なのだろうから当たり前のようにも思うけど
電車はいつものように帰宅ラッシュでぎゅうぎゅうに詰められる。
一日の疲れた臭いが立ち込める電車が苦手だ。
この臭いと窮屈な空間に疲れが上乗せされる気がして気分が下がってしまう
「大丈夫?」
後ろから柑橘系の香りがふわりと漂い、声が耳元をくすぐる。
「は、はい」

「そう、気分悪かったら言ってね」
そういってすっと離れた温度は頬にだけ残留した

電車もそう悪いだけのものではないかもしれない
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