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彼の秘密
第18章 二人の時間
彼はぽつりぽつりと昔の話を始めた
「昔から俺の回りには人が絶えなかったんだ、男女問わずね。
自慢じゃなくて事実として」

相づちは返さなかった、ただ今は聞こうと徹したから
「これでも昔は悪さをしててね、女をよく変えてたまずはそのきっかけから話そうか」

「小学生のことから皆に勉強を教えててさ、皆の頼りになる委員長だった。
自分で言うのもあれだけど、皆が欲しがるものを備えてた人間だった。
ただ、一つ足りないものがあった
それは皆にあったんだ
何だと思う?」
先輩は答えを求めたわけではないらしく、すぐさま続きを話した。
「それはね、人に対する興味」
俺には、そこまで人に関して興味がなかったんだ、だれが何を好きとか、休日何をしてるのか、
正直どうでもよくて、いちいち聞いてくる子たちが耳障りだった。」

「でも人との関係を築いていくうえで、そんなことも言ってられないし言われれば付き合いだってした。求められればそれを返した。
これでも求められること、ものは何となくわかったしそれをしてさえすれば嫌われることは無かったしね、皆俺に騙されてくれた」
彼は嘲笑するように鼻で笑う
次々と出てくる言葉に正直耳を塞ぎたくなった。
先輩から鍵を奪ってこの部屋から逃げ出したい、頭痛がしてきそうだ

「その途中で、氷河と会ってね。中学二年くらいだっけ・・・あいつも俺と似てて良い距離を保ってくれるやつだったからすぐに友人になった。

そこまでは良かったんだ。
ただ、あいつがバイトを始めてから俺が個室を借りて一人休憩を取ったりした頃から彼女達は体の関係を求めてくるようになった。
聞くと皆、スリルを味わいたいのって言ってたっけ
その頃の俺は断るような理由もないし早く帰って欲しかったから、求められることを返したんだ。

それがね、俺の「遊び」になった。
でもそんなことをしてる時に君に会った」

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