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彼の秘密
第19章 テスト準備期間が来ました
「あれ?まだ寝てなかったの?」
タオルで濡れた髪を拭きながら部屋に戻ってきた。

「はい、何だか眠れなくて」

「そう、ふぁあ」
彼は大げさなくらいに欠伸をして、そのままベッドに倒れこんだ。
相当疲れてるみたい

「先輩、毛布掛けないと夏でも風邪引きますよ」
けど、反応がない

「先輩?せーんぱい」
やっぱり反応がなかった。近寄ってみると彼は寝息を立てて寝ていた。
寝るのはや!
ま、まぁ多少は期待してなくもなかったけど

「・・・今日は、ありがとうございました。」
彼を起こさないようにそっと薄い毛布を掛けた。
今日はソファーで寝よう

部屋の電気をけそうと背中を向けた

「雫」

「えっ、ふぁっ!?」
ぼそっと呼ばれて振り向くと同時に腕を掴まれガクッと体勢を崩した。
そしてふにっと唇に熱い感触が重なった
んっ?

瞬間、時間が止まった気がした。
五秒にも満たなかったかもしれない時間が、永遠にも感じられた
俺は先輩に覆いかぶさるようにして倒れてて先輩の顔が目の前にあった。

はっと、目が合った時にぱっと唇が離された

「~~~っ?えっ、えっ?」
頭が混乱して、口を左手で押さえながら目をぱちくりさせた
今、口にというかはっきりキス

先輩はというと、真っ直ぐ瞳を見つめててその目は少し揺らいでいた。
何かを押さえ込むように、泣きそうにも見えた
「やっとキスできた、ずっとしたかった。けど、
でも、純粋な気持ちで来てる雫にそんなことはしたくなかったし、早すぎるかなって・・・
でもごめん。我慢出来なかった・・・っつ」

頭を再び引き寄せられて、唇が重なった。
けど、今度は深かった
柔らかな舌が唇の隙間から入ってきて舌に絡み付くようなキス
それは動物的で、映画だと目を覆いたくなるのにこんなに甘いとは知らなかった

「んっ、ふぁん、ぁん、ふっ」

息が出来ない、あまりにも甘くて、幸せで、息をするのも惜しいと思った。

だって嬉しかった、求めてたのは俺だけじゃなかった先輩も同じように俺を思ってくれてた事実がただ、嬉しかった
先輩に身をゆだねるように、目を瞑った

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