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彼の秘密
第21章 夏休み
また、昨日先輩を想って抜いた
健全な男子なら普通の行動ではあると思うけど、今その人を前にその人の匂いに満たされている部屋にいることは少しどころかかなり昨日のことを思い出してしまって、申し訳なさが募る
「飲み物はお茶で良い?コーヒー切らしてて」
「あっはい。大丈夫です」
「前も言ったけど二人きりの時は呼び捨てで呼んで欲しいな」
とさっと二人掛けのソファに先輩も座る
からんとコップの中で回る氷で冷やされた緑茶を煽る。夏で汗ばんだ体を優しく冷やしていく
「えっと、さ、暁さん」
彼の名を呼べばあははと口を拳で抑えながら笑う、何が楽しいのかはわからないけど彼の笑顔はいつ見ても眩しい
「やっぱり名前って良いね、こんなに人に名前を呼んでもらえて嬉しいなんて、君と出会ってからだよ」
「それは大げさじゃないですか」
「だね、なんかさ本読んでいると恋をした女性が晴れやかなとか世界が輝いているとかっていう表現があるんだけど、本当だね。
陳腐だけど、その意味が分かった気がするよ」
不思議なもんだ、こんなに世界が違って見えるのなら恋を知るまで見えていた世界は全て灰色だというのだろう。
色鮮やかなんていうものは大切な人が出来てやっと見えるのだろうか、それともただの勘違いなのだろうか。恐らく後者だ、それでも自分は幸せな今を生きているのだから勘違いでも良いと思った。
「さてと、今日は何しようか。
このまま家にいてもいいけど、外に出てみるのもいいよね」
「俺は、もう少しこのままでいたいです」
「そう?」
雫はこくんと頷くと渡の肩にもたれかかった。その顔はリンゴのように染まっている。
その頬に触れると一度ビクッと目を見開いたけど、何も言わずにその手に頬擦りをしてきた。
もちりとした柔肌にそこから伝わる熱に、喉が鳴る
「手、冷たくて気持ちいい」
それが合図のようにその冷たい手を雫の後頭部に回して唇を重ねる。
雫は特に驚きもしなく、目を瞑って味わう。
健全な男子なら普通の行動ではあると思うけど、今その人を前にその人の匂いに満たされている部屋にいることは少しどころかかなり昨日のことを思い出してしまって、申し訳なさが募る
「飲み物はお茶で良い?コーヒー切らしてて」
「あっはい。大丈夫です」
「前も言ったけど二人きりの時は呼び捨てで呼んで欲しいな」
とさっと二人掛けのソファに先輩も座る
からんとコップの中で回る氷で冷やされた緑茶を煽る。夏で汗ばんだ体を優しく冷やしていく
「えっと、さ、暁さん」
彼の名を呼べばあははと口を拳で抑えながら笑う、何が楽しいのかはわからないけど彼の笑顔はいつ見ても眩しい
「やっぱり名前って良いね、こんなに人に名前を呼んでもらえて嬉しいなんて、君と出会ってからだよ」
「それは大げさじゃないですか」
「だね、なんかさ本読んでいると恋をした女性が晴れやかなとか世界が輝いているとかっていう表現があるんだけど、本当だね。
陳腐だけど、その意味が分かった気がするよ」
不思議なもんだ、こんなに世界が違って見えるのなら恋を知るまで見えていた世界は全て灰色だというのだろう。
色鮮やかなんていうものは大切な人が出来てやっと見えるのだろうか、それともただの勘違いなのだろうか。恐らく後者だ、それでも自分は幸せな今を生きているのだから勘違いでも良いと思った。
「さてと、今日は何しようか。
このまま家にいてもいいけど、外に出てみるのもいいよね」
「俺は、もう少しこのままでいたいです」
「そう?」
雫はこくんと頷くと渡の肩にもたれかかった。その顔はリンゴのように染まっている。
その頬に触れると一度ビクッと目を見開いたけど、何も言わずにその手に頬擦りをしてきた。
もちりとした柔肌にそこから伝わる熱に、喉が鳴る
「手、冷たくて気持ちいい」
それが合図のようにその冷たい手を雫の後頭部に回して唇を重ねる。
雫は特に驚きもしなく、目を瞑って味わう。