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彼の秘密
第21章 夏休み
「雫はずっとそれを考えていたの?」

こくりと頷く。
キスをするうちに、手を繋いで、抱き合って

それに不満があるとは思わない。
ただもっと欲しいと思ってしまう
それを自覚したのは、この前のキスマークをつけられたとき。
あの時にどうしようもなく興奮した。

自分は先輩のものなんだって実感して、それと共に後悔もした。

自分もつけたかった。

どうしようもない独占欲に満たされて、毎夜妄想しては欲を吐き出しては情けなくなるの繰り返し、学校で女子に囲まれている先輩を見て不安になって
「暁が欲しい、自分が暁の特別になりたいって」

正直、キモいと思うが嫌いではない。

「暁は違うと思うけど、でも俺は」

「俺が誰も彼もにキスマークつけると思う?」

「思いません、けどわかってても不安になる。
自分も暁さんが欲しい!」
Tシャツを握る手の力を強める。
少し引き寄せられた顔に再度自分からキスをした。
言葉では足りない思いを乗せて
「それを伝えに来ました」

「全く、俺がどんだけ大切にしたいか知らずに。
そんなこと言われたら流石に・・・こっち来て」
手を引かれて、ソファから離れる。

先輩はポケットから小さな鍵をとりだし、以前自分が開けようとした引き出しに差した。
開いたその中には沢山のコンドームや噂にしか聞いていない、バイブなどが入っていた。
「俺だって健全な高校生だし、好きな子とはしたいって思う。でも、男同士ってのもあるけど君とは普通のデートとかで深まりたいっていうのもあって。
だからテスト期間中とかも手を出さなかった・・・とは言いがたいけどあれでも我慢してたの。」

「先輩・・・っうわ!」

急に足が宙に浮いて視線が先輩の背中を捉えたのは一瞬ですぐに反転して、先輩の顔が真ん前だ。
ベッドに倒されたらしく、先輩は俺の上に股がる。

「これからエッチなことするけど、いいよね?」
煽るように微笑んで、指で顎を撫でられる。
背中に弱い痺れが走って身をよじった
「ん・・・はい」
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